伝わるかという視点

何年か前、就職活動中の学生から相談を受けた際、履歴書に添付する「自己紹介シート」、「志望動機書類」等の書き方についてアドバイスを求められたことがあった。

 

その学生の書類を見せてもらうと、確かに内容は学生時代の経験を余す事なく網羅していて、そこから学んだこと、その結果の自己分析、それらを受験企業でどう活かすのかというところまでもしっかりと書いてあった。

 

ただ、その書類を一読してみて、はたして受け付けた人事の担当者にダイレクトに伝わるのか、という疑問を持った。

 

要するに、読み手の頭の中に彼の人物像や志望動機が明確にイメージされるかということだが、その書類を見る限りはイメージがぱっと湧いてこなかった。それぞれの内容は素晴らしいものだが、羅列的であり、読み手からすると何を一番伝えたいのかがわかりにくい印象であった。

 

なので、書いてある内容を項目ごとに整理して、重複するようなエピソード(アピールしたい本質が重なるような経験)は重要なものにまとめ、順位をつけて、上位の項目を厚く書き直し、そうでないものはさらっと一文にまとめ、読みはじめから最後までテンポよく読んでもらえるように組み直した。またそれぞれの項目に見出しをつけて、一目で何を伝えたいのかがわかる、予測可能な書類に作り替えた。

 

そうすることで、その書類を読んだ担当者が、余計な能力を使わずとも、その書類の本筋を理解し、最後まで読んでくれるものとなる。

 

ここで大切なのは、その書類を誰が最初に目を通すかという視点だと思う。

 

大企業の人事担当者はただでさえ忙しい中、採用活動期間は大勢の学生から送られてくる書類に目を通していかなければならない。その中で、読み手の立場にたった一読了解の書類であれば、印象が悪かろうはずはない。

 

内容の良さに、伝わりやすさが伴った書類であれば、相対的に浮き上がってくるもの。

 

そういう視点にたって書ければいいのではないか、というような話。

 

そんなことを偉そうに言いながら、はたして自分は大丈夫かなと思ったりもして、あえて思い出しながら、この記事を書いてみました。

 

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