桜守という職業をご存知でしょうか。
桜守「佐野藤右衛門」が天保3年より代々連綿とその尊い生業を紡いでこられていること、私の職業観に少なからず影響を与えました。
佐野家におかれては、隔世で「藤右衛門」を継いでいかれます。
つまりその名を継ぐのは子ではなく孫になります。
世代交代がじっくりと、確実に行われてゆきます。
生業というものは本質的にそうであるべきかもしれないと思いました。
すなわち、今の自分の仕事が、世代が変わっても連綿と続いていくようにしなければいけないのでは、と思いました。
それは、自分だけの想いでは到底難しいことで、あくまで「続くべきもの」として周りから認められなければいけないなと考えています。
桜守を知って、この先遺るもの、遺すべきものの意味を考えるようになりました。
そしてそれなりのものを遺すには、それなりの時間と道程が必要であると、気持ちをあらたにしております。
時間だけでなく、歴史を紡いでいけるような珈琲。
どうしたら遺していけるのか、考えています。
店主