「教科書を疑え」
この言葉は私が敬愛する恩師(故人)の言葉です。
その意味するところは色々とあります。
権威や、先入観、根拠の乏しい慣例など、真実ではないものに判断を狂わされることはあると思います。
学生時代はもちろん、社会人となってからも、仕事上の判断で迷った時、しばしばこの言葉に助けられたことがあります。
根拠が定かでないのに常識のように思われていること。
珈琲の世界にも、そのようなものはあります。
開業前に多くの「自家焙煎珈琲の教科書」といわれるものを読みました。
焙煎の方法、豆の保存方法、抽出の方法、などをそれぞれの著者なりの解釈で書かれたものですが、確かに参考にはなりました。
しかし、今となっては、まずは自分の手で確かめる、自分の目で、舌で判断していくことの大切さを実感しています。
時には基本すらも疑うこと。これが重要なのではないかと思います。
迷った時には基本に立ち返る、そして一旦はその基本すら考え直す。
なかなか難しいですけど。
店主