他尊自信

 

どんな道でもある程度のレベルまで達するようになると自信がついてくるものですが、反面自惚れも強くなる場合があります。

私の経験上、例えば青年期に勤しんだ空手では、緑帯くらいになると自信もついてきて、やたらと腕試しを道場外でもしたくなったりしまして、今思えば赤面したくなるような恥ずかしい思い出が結構ありました。(空手は白帯→青→黄→緑→茶→黒と級位が上がるにつれ帯の色が変わります。)

しかし段位を取得して黒帯となって、大きな試合にも出場するようになり、指導員としての経験を積むにつれ、そのような幼稚な振る舞いは自然と消えていきました。

そして更に修行を真剣に積んでいくと、勝負の結果、すなわち相対的な強さにこだわる事よりも、絶対的に信ずる道の世界を極めていきたいという心理に変わっていくものではないかなと思います。

それはあたかも学問の世界で、知識を得れば得るほど、おいそれとは語らなく(語られなく)なるのと同じような状態かと思います。知れば知るほど自分の無知を知り、謙虚にならざるを得ないのと似ているような気がします。

そういうレベルに到達すると、相対的にどうこうではない、他者からのまなざしを気にすることではない、自分との戦いに真摯に向かう心理状態になっていくものでしょうか。

またそれは他者を拒絶したり排除するのとは違い、むしろ自分以外のものを尊重し、共存を是としていく価値観に通じるものがあると思います。

先日「他尊自信」という言葉を知って、それを契機に上記のようなことをつれづれと考えた次第です。

本当の自信は他者を尊重する心を涵養し、結果的に自分を成長させるものだと考えます。

店主

 

Advertisements