省かれた線

 

先日、鉄筋オブジェ「後ろ向きのベーシスト」が売約となりました。

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個人的にお気に入りのオブジェだっただけに、ちょっぴり残念ですが、それ以上に、この背中姿を気に入っていただけたこと、大変嬉しいです。

 

造形作家、徳持耕一郎さんの手による鉄筋アート。

省かれた線にこそ意味を感じます。

 

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作品から語りかけてくることはありませんが、静かに聞こえない音を奏でてくれています。

ある意味における存在感のなさが、当店のオブジェ達の良さと言えます。

 

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存在感のないものをうまく調和させることで、自分自身の存在を確かめられるところにこそ、その空間の居心地良さが際立つものではないかと、教えてくれているように思います。

 

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7月にはまた新作がお目見えする予定です。

 

店主

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先日のこと当店にて粋な催しがございました。

漆器作家の土井宏友さんによる茶箱ならぬ「珈琲箱」のお披露目会です。

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珈琲箱は土井さんご自身が木地作りから行い、漆をかけた道具や器を塗りの箱に収めたものです。

今回はこの珈琲箱をご注文された方へ、納品と道具の使用方法を説明するための機会を兼ねまして、当店にてお茶会ならぬ、珈琲会が催されたわけです。他にも遊び心豊かな粋狂な面々が集いました。

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土井さんご本人が抽出方法を説明されています。

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用意された珈琲豆は「コピルアック」。なかなかお目にかかれない貴重な豆です。

出された珈琲は、漆の香りがほのかに。

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まろやかなる、美味。

とても、とても、愉しいひとときでした。

*当珈琲箱についてのお問い合わせは、京都市南禅寺前「うつわや あ花音」さんへ

店主

蘭奢待

第63回正倉院展に行って参りました。

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14年ぶりに公開されている蘭奢待(黄熟香)を見るのが目的でした。

その存在を知ったのは十数年前に読んだ歴史小説の挿絵ででした。

それ以来、歴代の権力者(足利義満、義政、織田信長、明治帝など)が切り取ってその香りを楽しんだと言われる天下一の名香を一生に一度はこの目で確かめたいと思っていました。

挿絵の印象では50センチ程度のものかと思っていましたが、さにあらず、160センチ近くあるものでした。

展示場では透明のケースに収まっていて、360度、どの角度からも鑑賞できました。

何度も何度もぐるぐる廻って目に焼き付けている私の様は係の方に訝しく思われたかもしれません(笑)。

その場でスケッチしようかと思いましたが、なぜかやめました。

イメージを脳に納めただけでもう充分といいますか、余計なことのように思え、一生の思い出に大事にとっておこうと。

そういうことってあると思います。

その他の宝物いずれもすばらしく、色彩鮮やかでありながら、ミニマルな美しさを感じさせるものがほとんどで、我が国の美意識の高さを再認識した良い日となりました。

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出典:東瀛珠光 第3集, 初版, 審美書院, 東京, 明治41年11月30日

店主

美余白

以前、ある方から教えて頂いた絵本の余白の美しさに感動して、ことさら「余白」というものに関心をもつようになりました。

絵本の題名は「アンジュール」と言います。

アンジュール1

無駄をいっさい省いたシンプルな図柄がかえって物語の印象を鮮明化させるような気がします。

アンジュール3

美しい

アンジュール2

このような珈琲ができないだろうか、と考えました。

店主

saxophone奏者について

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以前ご紹介した右側のオブジェ、「saxophone奏者」ですが、誰をモチーフにしたか?

と言いましても一目瞭然かもしれませんが。。。。。。

徳持氏に制作をお願いする事前、saxophone奏者を制作いただくことは既に決めていました。

問題は誰をモチーフにするかでした。

当初は実在の人物、例えば歴史上の人物であるとか、現在活躍中の俳優であるとか、様々な候補が現れては消え、現れては消えて、なかなか決定に至りませんでした。

あまりにも決まらないのでいっそのこと人間はやめようかと思った程です。

何にこだわったかというと、中性的なこと、清潔無色であること、それでいて温かみ、優しさを兼ね備えていて、強いこと。どこかで中庸という概念に合致すること。

これらを表現出来るモチーフとなる人物が果たして見つかるのか?

悩みに悩みました。

ところが徳持氏が来京される前日の朝、ある画像が頭に浮かんだのです。

それは広隆寺の半跏思惟像でした。

宗教的な意識は全くなく、理想の柔和な人物が、純粋に記憶の奥底に鎮座していたかのような、その画像が奇跡のように浮かびました。

そのことを徳持氏に伝えたところ、最初は驚かれましたが、「面白い」とご興味を持たれ、制作を快諾頂きました。

いまだになぜ半跏思惟像なのか、正直うまく説明できないのですが、日本人の多くの方が心和むような容姿を備えている気がしています。

ただただ、徳持氏の表現力、技術力に感服しております。

店主

以前ご紹介した右側のオブジェ、「saxophone奏者」ですが、誰をモチーフにしたか?

と言いましても一目瞭然かもしれませんが。。。。。。

徳持氏に制作をお願いする事前、saxophone奏者を制作いただくことは既に決めていました。

問題は誰をモチーフにするかでした。

当初は実在の人物、例えば歴史上の人物であるとか、現在活躍中の俳優であるとか、様々な候補が現れては消え、現れては消えて、なかなか決定に至りませんでした。

あまりにも決まらないのでいっそのこと人間はやめようかと思った程です。

何にこだわったかというと、中性的なこと、清潔無色であること、それでいて温かみ、優しさを兼ね備えていて、強いこと。どこかで中庸という概念に合致すること。

これらを表現出来るモチーフとなる人物が果たして見つかるのか?

悩みに悩みました。

ところが徳持氏が来京される前日の朝、ある画像が頭に浮かんだのです。

それは広隆寺の半跏思惟像でした。

宗教的な意識は全くなく、理想の柔和な人物が、純粋に記憶の奥底に鎮座していたかのような、その画像が奇跡のように浮かびました。

そのことを徳持氏に伝えたところ、最初は驚かれましたが、「面白い」とご興味を持たれ、制作を快諾頂きました。

いまだになぜ半跏思惟像なのか、正直うまく説明できないのですが、日本人の多くの方が心和むような容姿を備えている気がしています。

ただただ、徳持氏の表現力、技術力に感服しております。

店主

saxophone奏者とmoonのバランス

当店のオブジェです。

基本的に当店はオブジェや張り紙等を一切しない方針なのですが、この2つはどうしても設置したくて置いております。

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左は和紙ランプ「moon」、右は鉄筋で作られた 「saxophone奏者」です。

和紙ランプは当店を設計して下さった辻村久信氏のデザインによるもので、製作は山陰の谷口和紙様によるものです(そもそもMoonという名で谷口和紙製品はありますが、これはリデザインされたものです)。

谷口和紙様といえば因州和紙を使った立体成形の技術がとりわけ有名です。継ぎ目のないその立体製法は特許出願をされており、非常に高い「ものづくり」の技術を保有されています。

因州和紙は10世紀初頭より連綿と続く日本が誇る製紙技術ですが、谷口和紙様はその脈々と受け継がれた高い技術に、洗練されたデザイン力を加味して、新たな和紙文化を提唱されておられます。

右の「saxophone奏者」は鉄筋によって作られています。作者は徳持耕一郎氏です。

徳持氏は世界で唯一の鉄筋彫刻を手がける造形作家として知る人ぞ知る方ですが、その作品は独創的な上に躍動感にあふれ、海外ではNY、国内でも東京、横浜、大阪、神戸などで作品を展示されておられます。

当店の作品はオーダーによるものですが、サックス奏者をある人物をモチーフにして制作して頂きました。

誰をモチーフにしたか?

それは後日また詳しくお伝えしようと思います。

店主