0と1の間

 

物事を数値化できればなにかと便利なことがありますよね。

 

しかしながら、数値化できない、数値化すべきではないことも確かにあります。

 

そこに「仕事の醍醐味」といわれるものがあると思います。

 

例えば、建築の世界では、熟練した大工の中に、測量器を用いなくとも仕事のできる達人がいます。彼の目は正しく、そして完成した作品は寸分の狂いがないばかりか、美しい。

 

また、音響の世界では、デジタルレベルでは測定できない微妙であやな音を聞き分けることのできる達人がいます。その音にこそ、その曲が人の心を打つ、もしくは琴線にふれるなにかが宿ります。

 

色彩の世界、同じグレー色であっても、微妙に濃淡、明暗の差があり、どっちともつかない感覚的な色彩感覚が決め手になることがあろうかと思います。

 

どれも、0か1に区別できるものではないです。すなわち、0と1の間にあって数値化できないポイントを押さえられるかが重要だと思うのです。

 

そこに、人の心を打つ、つかむ、揺さぶるなにかがあると僕は思います。

 

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